「行」を増やして「筆算」を減らす

先日のブログ「暗算を重視します」には、たくさんの反響をいただきありがとうございました。

 

ご意見をうかがっておりますと、少し説明を急ぎすぎたかな、というところもあるので今回はそれを補足させていただきます。

 

「暗算を重視します」といいましたが、より具体的には・・・

 

「行」を増やして「筆算」を少なくするのが理想です

今回は、このテーマでお話しします。



少し前の話になります。

他の教材販売会社の個人塾経営者向けのセミナーに参加して聞いた話です。

 

セミナーの講師が、1000人近くの生徒さんの数学のテストを調べた結果、うっかりミスはそのほとんどが暗算でおきていることをつきつめた、と発表していました。

 

「それ見ろ!やっぱり暗算はあまりしない方がいいではないか。」

と思われた方もいるでしょうね。

 

しかし講師の方のこのお話は、他には参考になる話が多かったのですが、ことこの件に関しては分析の仕方と説明の仕方に問題がありました。私だけでなく、私の周りで聞いていたほかの人たちの中にも違和感を感じている人は何人かいるようでした。

 

 

話を進むうちに、やはりそれは・・・

「暗算」によるミスではなく、「途中式」を書かないことによるミス

それについての話だということが明らかになってきました。

(会場にはたくさんの個人経営の塾の方が来ていましたが、いったいどれくらいの割合で「暗算」と「途中式を書かない」ことを区別できているか、それともごっちゃに考えているか?そういうのも、おもしろいなと思いながら聞いていました。)

 

これは今までの経験から断言できますが、途中式をしっかりかければ目標がしっかりしているので、個別の計算を能力の範囲内で暗算でこなすのに計算ミスのリスクはまったくありません(もっともどのレベルまで暗算でこなしていいかを含め、適切な暗算法を身につけていることが前提です。)

 

よって計算ミスを減らすことも含め、よい計算ができるようになるための1つの結論として「途中式を適切に書く」ということがあげられます。

 

 

しかし、ここでまた一つ指摘しておかなければいけないことがあります。

小学生のお子さんに「ていねいにとけ」「途中式を増やせ」といってもなにも伝わりません。

 

 

 

けっこうしっかりしている子にもそうです。

 

いくら本人がていねいにとこうと思っても、やり方を知らないのです。

小学校の算数の授業だけでやり方を身につけられる子はよっぽどできる子です。

 

どのように途中式をはさめばよいのか、具体的に教えてあげる必要があります。

 

 

また中学生になると逆に、無意味に途中式をたくさん入れてしまうお子さんもけっこう出てきます。

余分な情報が増えれば、それはそれで計算ミスのリスクが高まるのでそれも直さないといけません。

しかしそれもまた、具体的にどのように減らせばいいのかを教えてあげる必要があります。

 


以上です。

ご意見・ご感想お待ちしています。

 

富士宮教材開発

 

井出真歩



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